文物紹介
やや外向きに大きく開いた口、直線的な耳と首、四つに分かれた袋状の腹、柱状の足。首は長尾鳳鳥紋、足は雲紋と三角紋で装飾されている。口から底にかけて垂直の笵線が8本、はっきりと見える。このような器形は出土品と伝世器には見られない。X線撮影により、耳の下方の器腹に補鋳された丸い穴があることがわかった。もともとは流(注ぎ口)が付いていたはずで、その反対側の器腹には鋬(持ち手)が脱落した箇所を修復した痕が見つかった。本来は西周中期の四足盉だったが、修理してから二つの耳を付け、四足鬲にしたものと考えられる。