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統一番号
故瓷008645
作品名
琺瑯彩龍舟胆瓶
年代
清 乾隆
サイズ
高さ20.2cm;口径3.5cm;高台径4.2cm
カテゴリー
陶磁
材質
磁器

文物紹介

丸く開いた口、口縁がやや盛り上がり突出している。長い首に丸い胴、底は平らで、低い高台が付いている。内外は白釉が施してあり、表面に楼閣や宮殿などの建物のほか、龍池を競いながら渡る船が描かれており、北宋以来、よく知られている「金明奪錦」の故事と一致している。絵図の旁にある題には「仙楼綺閣環瀛漢、鳳艑龍舸遶翠流」とあり、引首と句末に「寿如」と「山高」、「水長」─朱文と白文の印章三つが描かれている。高台裏の中心に青で書かれた「乾隆年製」4文字の宋体款があり、その周りに二重線の方形枠が書き加えられている。全体の画面の配置や組み合わせは、詩・書・画・印を一つの作品に融合させた雍正朝琺瑯彩磁器の制作法を踏襲しているが、より詳細に比較してみると、器形や紋様のモチーフに雍正朝作品とは明らかに異なる様式が出現していることがわかる。注目したいのは、乾隆3年(1738)と4年(1739)に、乾隆帝が琺瑯彩磁瓶を制作するよう幾度も命じたとする記事から、乾隆朝琺瑯彩磁瓶の出現を間接的に知ることができる点で、これは器形に関する皇帝の好みの変化と関わりがある。伝世の画作と対照すると、元代の王振鵬の「龍池競渡図卷」に乾隆帝の題識「蘭亭修契暮春時、開放金明競水嬉、…」があることに気付く。また、この瓶の外側を飾る楼閣や宮殿、楼舟も王振鵬の画中に描かれた奪錦図に呼応しているように見え、琺瑯彩磁器に新しい装飾紋様が登場していたことを示している。或いは、乾隆帝が清朝収蔵品の鑑賞を通して得た発想が、官窯の装飾紋様に影響を与えたことと関係があるのだろう。

展示情報

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