文物紹介
この銅器は有蹄四足動物の形に作られている。頭部に立つ耳、丸い目、有蹄四足、尾は垂れ下がっている。動物の姿態や質感が写実的に表現されている。戦国時代の酒器で、動物の口が流(注ぎ口)になっており、背にある蓋を開けて、中に酒を注ぎ入れることができる。器表は黒褐色だが、青緑色が混じっている。銀糸を埋めた斜角雲紋と、華やかなトルコ石、金銀の象嵌で全体が装飾されている。顔の部分は、目に丸い金が象嵌してあり、鼻梁と眉、額はトルコ石で装飾されている。首にも金をはめ込んで首輪としている。背の蓋には、金銀で象嵌した蟠龍の模様がある。