文物紹介
この銅器は浅く大きな盤と高い圏足、二つの耳からなる。長尾夔龍紋が盤腹の外壁を一周している。重厚で典雅な趣があり、盤面にある350文字の銘文と互いに映えている。銘文には、夨国による散国侵略が失敗に終わり、夨国が領地を割譲することになった経緯が記されている。割譲される土地の範囲や実地検分を行った官員の職名などが詳細に記録されている。西周時代、散国と夨国は密接な関係にあり、友好的な頃は婚姻関係を結ぶにまで至った。散国は夨国の侵略行為を阻止し、賠償も得たため、この盤を制作して事の仔細を記録として残し、その功績を讃え、子々孫々に伝えることにした。