文物紹介
盤面に渦巻き状に身体を巻いた龍の装飾がある。龍頭は盤の中心にあり、僅かに盛り上がっている。盤の縁は夔紋と鳥紋、魚紋が一周している。外壁の紋飾は錆に覆われているが、俯いた夔紋のように見える。古風で荘重な作風は商(殷)代晩期の典型である。鋳造の痕を見ると、圏足内部と底の接続箇所に補強用の筋が6本あり、圏足と底の接合が補強されている。圏足に方形の足孔が三つあり、ちょうど範線の位置となっている。盤は青銅時代の重要な水器で、特にこの盤面の龍紋は複雑で美しく、身分の高い貴族が使用した礼器だったと思われる。