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展示概要

展覧期間:2014/06/07~2014/12/14
会場:104

国立故宮博物院に収蔵される貴重な善本書は、質量ともに優れており、清朝宮廷旧蔵の外、尚且つ絶間なく蒐集購入と寄贈受入によるものが含まれ、本院所蔵の不足をも補い、文化的価値が極めて高いものです。中でも、政府が民国初期に清朝晩期の蔵書家である楊守敬(1839-1915)の子孫から買上げた1634部15491冊の図書は、東アジア文化圏で漢籍の多元的豊富性とその流伝の特色を最も表現しています。

清朝晩期の著名蔵書家の中で、楊守敬が当時の誉れを得たのは、蔵書量ではなく、日本での訪書の経歴と少なからぬ貴重漢籍の持帰りが世間で重視されたためです。彼は光緒6年(1880)に駐日公使である何如璋(1838-1891)の随員として招聘され、東京に赴きました。当時は、日本は明治維新の政治的・社会的変革推進などが最盛期に達し、国を挙げて努力して西洋化の改革に取組んでいました。楊氏は大量の漢籍が安価で顧みられず市場に出ているのを見て、鋭意蒐集購入し、又、その漢籍が縁で、日本の収蔵家である森立之(1807-1885)・向山黄村(1826-1897)・島田重礼(1838-1898)らとも知合いになれ、彼らの協力の下で、購買・交換などの方式を経て、他の蔵書家が収集していた珍しい善本書が獲得できました。

光緒10年(1884)に楊氏は日本で蒐集した書籍を携えて帰国しました。4年後にそれらを湖北黄州の「鄰蘇園」に収蔵し、更に29年(1903)に武昌菊湾の「観海堂書楼」に移して保存しました。本展覧会の「鄰蘇観海」の名は、この二ヶ所の楊氏の蔵書場所名から来ています。民国4年(1915)、楊氏が世を去ると、政府は7万余元でその蔵書を買上げ、一部分を松坡図書館に手渡され、当館蔵書は後に国立北平図書館に併合されました。又、残りの部分は集霊囿に保存され、後に故宮博物院の収蔵品となり、抗戦中に他の文物と共に南遷しました。本院に所蔵する部分からは観海堂旧蔵書の全貌を見ることはできませんが、楊氏が漢籍蒐集収蔵に対する献身が内に含まれ、民族文化を保存する功績を目撃することができます。

本展覧会は「其人其芸」・「東瀛訪書」・「静観寰宇」・「図書流伝」の四つの単元に分けられています。「其人其芸」は楊氏の生涯を紹介し、又、楊氏の書道を展示し、筆に込められた彼の情性を明らかにします。「東瀛訪書」は楊氏の日本訪書経歴から、訪書の特色、蒐集書籍の出所と重要な成果を明らかにします。「静観寰宇」は蔵書の内容を通して、楊氏が学術探求によって、天文大地の大宇宙から人体構造の小宇宙までに就いて、皆静観して自得できる、ということを説明します。そして、「図書流伝」は、漢籍が中国から東アジアの朝鮮半島と日本に伝わり、最後にはまた中国に戻るという文化の旅路、恰も楊氏と海外に渡った漢籍との遭遇因縁を呼応しているかのようであることを描写します。