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展示概要

展覧期間:2014/05/01~2014/07/25

会場:105,107

 

清代末期から民国初期にかけて、西洋文化の影響による激動や古代の貴重な文物の発掘が相次ぎ、中国書画芸術の発展にも影響を与えました。その多くが旧来の様式にとらわれることなく時代の潮流に合わせて変化し、創作の精神性においても、表現様式においても、嘉慶・道光時代以前の伝統とは異なる作風が見られるようになりました。この時代に書画芸術は再び大いに栄え、作品からもその隆盛ぶりが見て取れます。

近代絵画を総覧すると、地理的環境によって、華北・華中・華南の三大系統に大きく分類できます。その内、北京在住だった斉璜(1863-1957)と溥儒(1896-1963)は、どこか稚拙で質朴とした、優美かつ超俗的な表現を用いて独自の境地を拓きました。一方、上海で活躍した趙之謙(1829-1884)、呉昌碩(1844-1927)、曽煕(1861-1930)などは、書法で言う「金石の気」を絵画に取り入れ、荒々しく力強い筆致が見られる海上派特有の画風を築きました。その後、徐悲鴻(1895-1953)と傅抱石(1904-1965)が中国と諸外国の画法を合わせて用い、中洋折衷の新鮮な画風を生み出しました。また、広州起義が発生した広州では、清代末期に居巣(1811-1865)と従弟の居廉(1828-1904)が、「撞粉法」(最初に使った顔料が乾く前に別の顔料で点彩を加える画法)と「撞水法」(水で点描を加える画法)という新しい画法を編み出しました。その流れを受け継ぐ高剣父(1879-1951)と高奇峰(1889-1936)、陳樹人(1884-1948)の三人は民国初期に日本へ留学しました。帰国後に形成された嶺南画派は秀逸な色遣いで知られ、今もなお画壇に大きな影響を与えています。

書法では、清代中葉から次第に碑学が発展し、味わい素朴で剛健な北碑の書風を学ぶ者が多くなり、鄧石如(1743-1805)や阮元(1764-1849)、包世臣(1775-1855)、楊沂孫(1813-1881)、趙之謙、翁同龢(1830-1904)などがその代表として挙げられます。また、民国初期に甲骨文と金文(青銅器の銘文)が次々に脚光を浴びるようになり、書作の表現に非常に大きな影響を及ぼしました。激動の時代だったにもかかわらず、志ある者は戦乱の中にあっても時には筆を執って書簡をしたため、その豪気な風は天を衝かんばかりの感がありました。例えば、于右任(1879-1964)、譚延闓(1880-1930)などの書は、温柔敦厚の中に剛直な気風が垣間見え、そこに内包されたものは学力だけで至れる境地ではありません。

この度の展覧会では、近年、国立故宮博物院が購入した作品のほか、各界から寄贈、または寄託された作品を精選し、近代書画芸術の多元的な発展をテーマに展示いたします。作品鑑賞を通して、芸術界の先達の百年余りに渡る努力とその成果をより深く理解していただけるでしょう。