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展示概説

展覧期間:2014/10/04~2014/12/29

会場:202,210,212

 

国立故宮博物院所蔵の沈周(1427-1509)、文徴明(1470-1559)、唐寅(1470-1524)、仇英(1494頃-1552)─明四大家の作品は質・量ともにすばらしいものです。本年度はこの明四大家の特別展をシリーズで開催いたします。第1期の沈周特別展、第2期の文徴明特別展、第3期の唐寅特別展に続き、今期は仇英の作品をご覧いただきます。

仇英、字は実父、号は十洲。本籍は江蘇太倉(現在の江蘇省太倉市)ですが、後に蘇州へ転居しました。画業を生業とした仇英は、身分は低いものの天賦の才に恵まれ、幼い頃から蘇州の著名な画家周臣(1450頃-1535)に師事して絵画を学び、文徴明や唐寅などの影響も受け、その作品は蘇州の文人たちに賞賛されました。

仇英は当時の収蔵家、例えば周鳳来(1523-1555)や陳官(1557年以降没)、項元汴(1525-1590)などと交流がありました。臨模に優れていたこともあり、こうした収蔵家たちの引き立てを受け、画家として大きく視野を広げることができたのです。江南の収蔵家たちが所蔵する宋元代の画作を学び、臨模する機会に恵まれたことから、仇英の画技はますます磨かれ、独自の画風が確立されました。人物や山水、花卉など、どの題材を描いても冴え渡る画技による巧みな表現が見られます。また、仇英の画風は単に精緻精巧なだけでなく、文人らしい細やかで風雅な気韻も感じられます。周臣の死後、仇英への評価はますます高まり、その後20年もの間、江南で名声を博し、一時代を築きました。

娘の仇珠(16世紀)と娘婿の尤求(16世紀)も仇英の後を継ぎ、画家として活動しました。仇珠の画風は精工にして秀麗なもので、尤求も仇英の画風を継承しましたが、特に白描の人物画を得意としました。明代中期に商業が盛んになると、仇英が画壇で活躍している頃から大量の模倣作品が制作されました。仇英の名を騙った職業画家は数え切れません。

この度の特別展には、「仇英の絵画」と「伝承と影響」─二つのコーナーがあります。「仇英の絵画」では、その多様な風格や特色をご覧いただきます。「伝承と影響」では、仇英の先輩にあたる戴進(1388-1462)と周臣、後学の仇珠や尤求などの作品のほか、仇英作と伝えられる作品の一部も展示し、仇英の明代画壇への影響力を明らかにします。